数字と親愛の情で振り返るスプラトゥーン
2019年12月 9日 (月)
これは「Splathon Advent Calendar 2019」の9日目の記事です。
みんな大好き「スプラトゥーン」。スプラトゥーンの魅力にハマったプレイヤーは、「Splatoon2」発売から2年以上経った今でも、日々イカ世界に潜ってはバトルに明け暮れています。本当にすごいゲームです。
しかし、スプラトゥーンを知らない人たちに対して、「スプラ面白いよ!すごいゲームなんだよ!」と語っても、なかなか凄さを伝えづらい。
そこで今回はスプラトゥーンの「数字」にスポットを当て、スプラを知らない人でもスプラの凄さを理解できるようにしてみようと思います。
出荷本数で見るスプラトゥーンの凄さ
最初に、スプラトゥーンがデビューを飾った「Wii U」の出荷台数、そしてWii U でヒットした上位3作の出荷本数を紹介します。数字の出典はWikipediaおよび「PRIVATELIFE エンタメデータ&ランキング」からのデータとなります。
日本国内での出荷台数・本数は以下の通り。
- Wii U 本体
- 331万台
Wii U 歴代売上ゲームソフトTOP3
- Splatoon (153.5万本)
- マリオカート8 (131.0万本)
- New スーパーマリオブラザーズU (120.1万本)
スプラトゥーンは、マリオシリーズを抑えて、Wii U歴代売上1位となっています。
これは、実は「驚異的な数字」なのです。なぜなら、これまで任天堂の据え置き型ゲーム機で、まったく新規のタイトルが「マリオ」シリーズを超えたことがなかったから。
ここで歴代の任天堂の据え置き型ゲーム機と、各プラットフォームごとの売上トップ3ソフトを見てみましょう。
ファミコン
1位 スーパーマリオブラザーズ (681万本)
2位 スーパーマリオブラザーズ3(384万本)
3位 ドラゴンクエストIII そして伝説へ… (380万本)
スーパーファミコン
1位 スーパーマリオカート(382万本)
2位 スーパーマリオワールド(355万本)
3位 ドラゴンクエストVI 幻の大地 (322万本)
ニンテンドー64
1位 マリオカート64(224万本)
2位 ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ (197万本)
3位 スーパーマリオ64(192万本)
ゲームキューブ
1位 大乱闘スマッシュブラザーズDX (151万本)
2位 マリオパーティ4(90.2万本)
3位 マリオカート ダブルダッシュ!! (82.5万本)
Wii
1位 NewスーパーマリオブラザーズWii (462万本)
2位 Wiiスポーツ (379万本)
3位 マリオカートWii (375万本)
ご覧いただくとわかるように、任天堂の歴代据え置き型ゲーム機で最も売れたタイトルは、ほぼすべてマリオシリーズです。
唯一、ゲームキューブだけが異なりますが、「スマブラ」のメインキャラクターはマリオ。そして「スマブラ」は任天堂のゲームキャラクター総登場するゲームであり、ニンテンドー64ですでに発売されているタイトルのアレンジバージョンで、全くの新規タイトルではありません。
唯一「スプラトゥーン」だけが、まったくの新規タイトル・キャラクターであるにも関わらず、マリオシリーズを凌駕しているのです。
これはファミコンから始まった30年に渡る任天堂のゲーム機史上で、初めてのことです。
30年間で唯一、マリオシリーズを凌駕したソフト、といえば、どれだけスプラトゥーンが驚異的なのか、お分りいただけることでしょう。
Switchにおけるスプラトゥーンの立ち位置
次に、Nintendo Switchにおける「スプラトゥーン2」の出荷本数を見てみましょう。
2019年12月現在の、日本国内におけるSwitch出荷本数とゲームのTOP3です。
Nintendo Swith
1000万台
ゲームソフト
- 大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL (333.1万本)
- スプラトゥーン2 (318.6万本)
- マリオカート8デラックス (252.6万本)
僅差でスマブラにトップの差を譲ったとはいえ、3位のマリカカート8、4位のスーパーマリオオデッセイを抑え、堂々の2位です。
マリオシリーズの二作品を抑えての2位。
押しも押されもせぬ、任天堂の看板タイトルになった、と言っても差し支えないでしょう。
海外ではまだまだマリオが人気
一方で、一部の方には周知の事実ですが、海外では日本ほど突き抜けた存在ではありません。
任天堂はウェブ上で、Wii UおよびSwitchにおける、全世界の出荷本数タイトルを公表しています。
これを見ると、海外ではまだまだマリオの人気が高く、日本ほど突出した数字を出していません。
しかし、この数字から「スプラトゥーンは海外で不人気」と言うのは気が早い気がします。マリオは世に出てすでに30年以上経つ、任天堂の顔と言えるキャラクターです。
リリースされてからたった4年で、ここまで人気を獲得したスプラトゥーン。5年先は、この数字にも少し変化があるのではないか、と、考えています。
スプラトゥーンがもたらすゲーム発信型のカルチャー
スプラトゥーンは、ゲーム以外にも各所に影響を与えて、ゲーム発信型のカルチャーを作り始めています。
その一つが、ゲーム内に登場するキャラクター「シオカラーズ」そして「テンタクルズ」です。
この2組は、「スプラトゥーン「スプラトゥーン2」の顔というベきキャラクターですが、それぞれ独自ライブまで開催されています。
自分はシオカラーズのライブ映像が大好きで、ぜひ生で見たい!とずっと思っていましたが、結局いくことはできませんでした。
しかし今年(2019年)、ついに念願叶って、「テンタクルズ」の単独ライブに参加することができました。
YouTube: スプラトゥーン2 テンタライブ 闘会議2019
会場は、1000人、いや2000人は超えているであろう大勢のファンで埋め尽くされていました。ライブが始まった瞬間の高揚感は、今でも忘れることができません。
ライブ映像を見ると、登場するキャラクターに合わせて、観客がサイリウムの色を替えながら声援を送っているのがわかります。単に「スプラトゥーンというゲームが好き」というレベルにとどまらず、「シオカラーズ」「テンタクルズ」というキャラクターの個性、そして楽曲が好きで、一緒に盛り上がりたいという熱気を感じることができます。
バーチャルなキャラクターのライブで、ここまでもあり上がるのは、初音ミク以来といって良いのではないでしょうか。
シオカラーズの曲は、なんとカラオケの曲としても収録されています。
YouTube: Splatoon(スプラトゥーン) フェス映像 シオカラ節Ver.
ゲームのBGMの1曲が、カラオケサービスに提供されるのは、異例中の異例。
2018年の夏には、ついにTower Records 渋谷店で、「スプラトゥーン展」という美術展が開催されるまでになりました。この美術展も素晴らしいものでした。
「マリオ」は、ゲームにとどまらない世界的なキャラクターとなっていて、キャラクターグッズやアミューズメント施設まで、ゲームから発信される独自のカルチャーを形作っています。
スプラトゥーンは、マリオに続く、強力なゲーム発信型のカルチャーを作り始めていると言って良いでしょう。
自分はおそらくこれからも、スプラトゥーンのゲームを愛し、スプラトゥーンの世界観を愛し、スプラトゥーンが生み出すカルチャーを愛していくことでしょう。
イカよろしくー!
明日のアドベントカレンダーは まけトピア さんです。
(本稿は、拙稿「任天堂の未来を左右する戦略タイトル スプラトゥーンとは何者か」を元に加筆と再編集をしたものです。
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